はまじぃの物語~あとがき~

このたびは「はまじぃの物語」を最後まで読んでいただき有難うございました。

これは決して「悲しい」お話しではありません。
「幸せ」のお話です。
読み終わった後に清々しい気持ちを感じてもらえていればいいなと思います。
終わりよければすべて良し!
どんなにつらい過去があったとしても最期をどう迎えるかで幸せだったかどうか
は変えられるものだと思います。

この物語は事実に基づいて書きました。
はまじぃと出会った後の出来事は、すべて実際に起きた事です。
はまじぃの気持ちはこう思っていて欲しいという願望も込めて書いています(笑)

ただ、「第1章」は完全なフィクションです。

はまじぃは自分がどうして西宮浜で一晩中鳴いていたのか話せません。
なので、はまじぃから私が感じ取った事から推測して書きました。

保護した時、首輪の跡はクッキリと残っていました。
捨てる人は迷子ではなく、捨てたんだと主張する為なのか
それとも身元を分からなくする為なのか首輪を外す傾向があります。
そして後ろ足が使えないはまじぃが、自分でそこに来ることはまず考えられない
ので確実に捨てられたのはわかりました。
(注:たまに首輪が緩くて何かの拍子に抜けて逃げちゃう子もいるので首輪を
していないから絶対に捨てられたというものではありません。)

また、以前の飼い主から叩かれていたように書きましたが、
それは初めてはまじぃに会った時、触ろうとした瞬間に咬まれた事、
そして、はまじぃの性格が随分丸くなってから私が髪をかき上げると
目の前で目をギュッと瞑り、大きな体をすぼめて小さくなっている姿を見た
事から叩かれた経験があるんだなと推測しました。
よく体罰を受けている子供が自分の体を防衛するような。。。
「ハンドシャイ」というやつです。

あと、ペットシーツを大嫌いな「紙ぺら」と表現したのは、
実際にペットシーツを見ると「どんだけ憎しみこめてるの??」
と思うくらいにビリビリに破いている姿を何度も見たからです。
はまじぃにではなく別のワンコのためにペットシーツを敷いていても
どこからともなく跳んできては憎しみ込めてビリビリにしていました(笑)

第2章からは、はまじぃがこういう風に思っていたんじゃないかな・・・
こう思ってくれていたらいいなという思いで書きました。

膝枕は本当に大好きで座るとすぐに来て顔を置いてきました。
きっと幸せだったころは飼い主にしてもらっていたんだろうなと想像できました。

ストーカー行為は毎日本当に度が過ぎるくらいでした。
正直、出会った瞬間は咬まれたし、すごいおじいさんで顔もなすびみたいで
可愛いとは思えませんでした。。。(ごめんなさい。はまじぃ)

でも、何とか仲良くならないと介護が出来ないと思って私自身も必死でした。
はまじぃが私のことを好きになってからは(自意識過剰。。。笑)
立つ事も歩く事も出来るようになり、一生懸命私に必死についてくる姿を見ていると
本当に愛おしくて可愛くてたまらなくなりました。
顔もどんどん可愛くなるし、性格もよくなってくるし・・・

なすびはまなすび顔のはま mark_arrow_gunyagunya男前はまlikepuppy

保護した日のはま、なすび顔のはま→→男前はま、可愛いはまへの変化(笑)

どこに行くにもくっついてくる。トイレにも(笑)
一途で健気な子でした。
もう、その時には相思相愛です( ´艸`)
本当に大好きでした。
彼からはたくさんの事を教えてもらいました。

●諦めてはいけないということ
きっと私もはまじぃも諦めていたら、幸せな3年間はなかったと思います。

●気持ちは通じるということ
言葉を100%理解できなかったとしても感情は伝わります。
上辺だけで接していたら奇跡は起きなかったと思います。

●歳をとってからも十分に信頼関係を築けるということ
犬を保護施設や保健所から譲り受けられるとても優しいお気持ちの方もたくさん
いらっしゃいますが、仔犬や仔猫等若い子を選ぶ方が多いです。年寄りでも懐きます!
もちろん、新しい名前も覚えます!
「はま」という名前を呼ぶと彼は嬉しそうに振り返りました(笑)
ちなみにこの名前は保護場所の西宮浜の「浜」をとって私が名付けました。
一緒にいられる時間は仔犬や仔猫より短いかもしれませんが、
最期を幸せに迎えさせてあげることが本当の愛護だと私は思います。
そして彼のこの物語はいろんな奇跡が私達を繋げてくれたと思っています。

もし。。。はまじぃを見つけた方の連絡した先が別の場所だったら・・・

1.年寄り
2.人に対して攻撃的
3.身体が不自由

どれか1つでも当てはまると処分されてしまっていたかもしれない条件が
なんと3つも揃っているという悲しい状態。
はまじぃが別の場所に行っていたら・・・きっとすぐに命を落とすような事になっていたでしょう。
(当時は動物愛護法の改正前で保健所や動物愛護センターでは持ち込みがあれば、受取を拒否出来ない時代でした。そして今よりも世間は動物に関心が無く、処分数も多かったです。)


もし。。。私がはまじぃに咬まれた後にすぐに諦めてしまっていたら・・・

はまじぃはご飯もお水も口にせず、立てないまま
すぐに天国へ逝ってしまい幸せな3年間は無かったでしょう・・・

とにかく自分を良く書いた物語でしたが(笑)、これからの私たちの使命ははまじぃに教えてもらったことを伝えていく事、そして少しずつでもそれを形にする事だと思っています。

はまじぃから教えてもらったたくさんの事はこの先に出会う動物たちが幸せになるキーポイントがいっぱいいっぱい詰まっているんだと思います。

年寄りだから、要介護になったから・・・、咬むから・・・という理由で捨てられたりしない、殺されたりなんかしない。。。そんな世の中に少しでも貢献できたらいいなと私たちは思っています。


今、こうして思い返してこの物語を書くことが出来ていますが、
実際に彼がいなくなった時は涙が止まりませんでした。。。
でもその涙は「後悔」の涙ではありませんでした。
時間が経って思い返すとはまじぃを少しでも幸せにしてあげる事ができたかなと思っています。
そして私もいっぱいいっぱいの幸せと楽しい時間をもらいました。

ありがとう。
はまじぃ。あなたは永遠に私の家族であり、私の先生です。
そして、「はまじぃの家」の永久スタッフです!

加賀爪 啓子

あとがきまで読んで下さった皆様、ありがとうございました。

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