はまじい

はまじぃの物語~第7章「ありがとう」~

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彼女のお家は大好きな彼女の匂いがしてとても安心できた。

何しろ、すぐ傍に彼女がいる。
夜、彼女がいるという安心感はとても心地のいいものだった。

はまじいの物語第7章

さっきまでとてもしんどくて辛かったのが嘘のようだ。

顔を起こせなくなった僕の顔を持ち上げ、彼女は自分の太ももの
上に僕の顔を置いた。

僕の大好きな膝枕だ。
とても安心する。
話しかけてくれる時は彼女が僕の目の前に顔を持ってきて話してくれる。

彼女は僕の隣で横になり腕の上に僕の顔を置いた。
腕枕というらしい。
僕は初めて彼女に腕枕をしてもらった。
彼女の顔もすぐ近くにある。
とても心地がいい。

そういえば、彼女と一緒に暮らしているワンコは
いつも僕を見て怒っていたけど、今は優しい顔でこっちを見ている。
怒っていないようだ。
ありがとう。

彼女は一晩中、僕の傍にいてくれた。
そして何度も僕の名前を呼んでくれた。
「はまちゃん」
「はまちゃん」
笑顔で・・・
そしてずっと僕の頭を撫でてくれた。

すごく穏やかな夜を過ごすことができた。
本当に優しくて心地いい空気に包まれていた夜だった。
そして清々しい朝を迎える事ができた。

でも、僕はもう今夜は彼女と一緒にはいられない。
とてもとても眠いんだ。
たぶん、このまま眠ってしまうと僕はもう起きることはない。

僕は彼女に出会わなければ、捨てられて辛くて悲しいままだった。
僕は今、とても幸せだ。
幸せに満ち溢れている。

彼女を見ると僕が永遠の眠りにつこうとしているのが分かったのだろう。
彼女の目から涙がいっぱいいっぱいこぼれている。
でも、笑顔だ。
きっと僕を不安にさせないためだろう。

「はまちゃん、好きだよ。」
「はまちゃん」「大好きだよ」

何度も何度も彼女は繰り返し言っていた。

神様に1つだけお願いできるとしたら、彼女に伝えて欲しい。
「泣かないで。僕はとても幸せだったから。本当にありがとう。」と。

神様はお願いを聞いてくれたのかもしれない。
もう持ち上げられないと思っていた顔を持ち上げる事ができた。
そして、僕の顔を彼女がギュッと抱きしめてくれた。

「はまちゃん、ありがとう。」

僕は大好きな彼女の声を聞きながら彼女の優しくて温かい胸の中で永遠の眠りについた。

 

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